流体シミュレーション CFD でコペンさんのボルテックスジェネレータを解析してみた

 まあ大分盛ったタイトルだけど、こんなんやってみた。


コペンさん80km以上ぐらいになるとルーフの両サイド後ろの風切り音がけっこうあるんだよね。

なんか手ごろな解決策ないものかと調べててボルテックスジェネレータに興味もったんすよ。

ボルテックスジェネレータって乱流発生器って代物で、小さい突起物を表面に作って小さい乱流を発生させて大きな乱流や気流の乱れ渦の発生を抑えたりするもの。


わかりやすいのはサメの肌とかそれを応用した競泳水着とか、割と昔からあるのは飛行機の翼ね気流の剥がれを抑制する的な、ちろんF1だとかのボディ表面にもいろいろな形や使い方である。


一般車だと今時のトヨタ車はほぼ付いてる、気にしてみるとホントどれにもついてる。

画像を拝借するとこんなん、リアのライトカバーとかについてる突起物、これボルテックスジェネレータ。


ちなみに他社がやらないのは、トヨタが特許もってるかららしい、一般車向けってことなのかな?

WRCとか用のラリー系のインプレッサとかランエボにはルーフ上後方に付けてるのも結構ある、ランエボは論文もあったりするボルテックスジェネレーターによる空気抵抗低減の研究


んで、本読んだり、いろいろ見たりしたけど、どーもすっきりしきらない。

そもそも見えないものを想像するのは限界がある。

なんとなくそれっぽい、ってのは空力の世界はご法度だと思ってて、そういうのは大抵マイナス方向に現象を悪化させると思ってる。


そこでだ、CFDです、流体シミュレーションです。

目で見て納得するのだよ。

完璧なものじゃないけど、なんとなくではない、この違い。


ガチなものは超お高いので、フリーで使えるものを

Flowsquare+(フロースクエア プラス)|無料で使えて手軽な流体シミュレーション ソフトウェア

ちなみにUIは酷いです、すっげえ使いづらいし、なぜそういう挙動なのか納得できないことすごくあるけどフリーで使えるのでとっても感謝して使ってる。

(使い方わからなくて放り投げそうになったけどなんとか独特な儀式的手順により使えるように(;^_^A)


こういうことができる。

なおこれは2次元のシミュレーションしてる、本来は3次元もできるらしいがわからぬ。

サンプルの車のデータ(これはBMPファイルで白黒のみで表現されてるのでペイントで簡単に修正できる)を編集してコペンっぽい形状にしてみたもの。

リアエンドは少しダックテールにして、リアウインドウは垂直気味にしてる。


これでルーフ後ろで青色の気流(ボディ表面の流れは遅いので低速の青になってる)が剥がれて渦を作ってるのがわかる、リアエンド後方の気流の状態も面白い(溜まったこの気流を如何に車体から遠ざけるかが空力の重要な要素)



試しにリアウイングをつけてみる

車体後方の渦のでき方が変わる。

なかなか同じ条件状態で比較できてないんだけど・・、上のやつその前の絵だと気流が車体に近かったんだけど。



本題のボルテックスジェネレータ、4種類やってみた。


ルーフ上後端

抵抗になってて、かつ気流の剥がれ具合は変わらないように見える。



ルーフ後ろ上端

抵抗にはあまりなってないように見える、気流の剝がれは少し小さくなったように見える

結果、トランク上を通ってダックテールによく当たりリアエンドの後ろの気流にも変化があるように見える




ルーフ後ろ、上端やや下

気流の剥がれはさらに小さくなり、トランク上もさらに乗ってるように見える



ルーフ後ろ、中段

今までで一番この辺りがルーフ後端の気流の剝がれが小さそう。

ただ、ダックテールでの気流の飛ばしが小さくなってるような?




ということで、リアウインドが垂直に近い形状の場合、思ってたより低い位置、たぶんリアウインドの中くらいの高さぐらいがボルテックスジェネレータを付けるのは良さそう。


ただ、実際にはリアウインドに付加物を付けるのはどうなのよ、ってなるとインプレッサとかランエボっぽくリアウインドの上に付ける、ルーフ後ろ上端かルーフ後ろ上やや下ぐらいが理想的になるのかな。



というような結果になりました。


いやあ自分でモデルを作って実際に試して目で確認できるってのはすげえ楽しい。

本とかで図で説明されても動画で見せられてもすっきりしなかったことが、すんごいすっきりした。


これ頑張って使って3Dプリンタで作るものもこれで解析するとおもしろいだろうしなー。


使い方の儀式覚えてられるか不安なんだけど・・・。

とにかく読み込ませたい設定ファイル、モデルデータはプログラムがあるフォルダに入れておき、ソフトの方で新規プロジェクトでフォルダを指定するとプログラムがあるフォルダからコピーされてプロジェクトのフォルダに入るので、とにかく設定ファイルとモデルデータはプログラムのところに常に同じファイル名で置いておく。

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